
今年も花粉症の季節がやってきました。
九州から太平洋側関東では2月中旬頃から飛散が始まっています。下旬には北陸から東北地方南部まで、本格的に飛び始めるようです。
心浮き立つ春なのに、あの辛さを思うと本当に憂鬱ですよね。
アレルギー持ちの私も、もちろん春は地獄の季節・・・だったはずなのですが。
実は、ふと思い返してみるとここ2年ばかり症状が軽減しているのです!
昨年、一昨年と、それまでになく花粉を意識しないで生活できていたような気がします。
これはいったいどういうこと?
いろいろ考えて思い当たるのは、3年前にまったく違う動機からはじめたある習慣。
それは、朝のスムージーに「手作り甘酒」を加えるようになったこと。
果たして本当にこのおかげか、自分でもはっきりわからないけど、確かなのは、この習慣とほぼ重なるように、辛い花粉症が改善されたという事実。
そんなわけで今回は、辛い花粉の季節を乗り越えるのに試してほしい、手作り甘酒とスムージーのお話です。
甘酒が花粉症改善にいい理由
それは流行の「菌活」から始まった
ここ数年、雑誌やテレビの情報番組で盛んに取り上げられているのが「菌活」。
「菌活」とは、つまり「体に役立つ菌と、その菌のエサをせっせと食べて、腸内環境を整える活動」。
ダイエットでも、健康でも、アンチエイジングでも、何かというと出てくるキーワードですよね。
この流れに乗って、私も3年前から手作り甘酒とスムージーを続けてきました。
主にダイエットと美肌のために。
ダイエットにも美肌にも即効性があるわけではないので、甘酒が効いた!とはなかなか言えないけど、調子悪くはないですよ(まあ、これらは他にいろんな要因が絡まってくるから・・・ね)
だけど、三年間続けた中で振り返って目に見えて効果があったのが、今回のテーマ、花粉症の軽減でした。
腸内にお花畑がある!
私たちの腸には、数百種類100兆個以上の細菌が生息していると言われます。
顕微鏡で見てみると、それらはまるで群生するお花畑(フローラ)のようだというので、「腸内フローラ」とよばれています。
この「腸内フローラ」は、人種、年齢、環境、生活習慣などさまざまな要因によって最近の構成がまったく異なるため、この世に二つとして同じものはありません。
しかし、「腸内フローラ」を形成する細菌をざっくり3つの種類に分けることはできます。
① 体のためによい働きをする善玉菌
② 体にとって悪い働きをする悪玉菌
③ 善玉と悪玉の優勢な方に加勢して、良くも悪くも働く日和見菌
がんばれ善玉菌
健康のために理想的な「腸内フローラ」のバランスは、善玉:悪玉:日和見が2:1:7の割合を保っている状態です。
「腸内フローラ」が善玉菌優位のバランスでいれば、病原菌による感染を防ぎ、ビタミンを生成し、発がん性物質を押さえる腸内環境を整えることができます。
善玉菌には免疫力を高める効果もあります。善玉菌が優勢になると、抗体の発生を抑えて花粉症やアトピー性皮膚炎など、アレルギー症状を緩和するのです。
いろいろ難しい理論はあるけど、つまり、善玉菌が増えれば免疫力が高まり花粉症に有効、と覚えておけば大丈夫。
では、善玉菌にもっとがんばってもらうため、私たちにできることって何でしょう?
善玉菌のエサを腸に送ろう
腸内の善玉菌を増やすには、善玉菌が大好きな食料をお腹の中に送り込めばいいのです。
それは、食物繊維とオリゴ糖。
私がずっと飲んできたフルーツと青菜のスムージーは、この二つをしっかり含んでいるので、そういう意味では正解だったみたいです。
だったらスムージーだけでよくない?
たしかにオリゴ糖と食物繊維を多く摂るならスムージーだけでも腸内環境改善には大きな効果があります。
だけどこの季節、猛威を振るう花粉に立ち向かうには、もっとパワフルな善玉菌のサポーターが必要。
そこで、米麹なのです。
実は最近の研究により、甘酒には善玉菌を増やすために強力な力を発揮する「タンパク質分解酵素」が備わっていることがわかってきました。
米麹にだけある、タンパク質分解酵素
甘酒の中で、腸内環境を整える栄養素としては、善玉菌のエサとなるオリゴ糖と、エサとなってさらに大腸へ運ぶ食物繊維があります。
しかし、それ以上に忘れてはならないのが米麹を発酵させた甘酒ならではの酵素「酸性プロテアーゼ」。
昨年、広島大学大学院生物圏科学研究科が、麹菌の効能について研究成果を発表して、学会で大きな話題となりました。
ごく少量の酸性プロテアーゼでも、腸内で分解されないタンパク質をアミノ酸に分解して、大量にビフィズス菌のエサを作るのです。
つまり、強力なリサイクルシステムが、甘酒の中には隠されているということですね。
ところで善玉菌といえば乳酸菌、つまりヨーグルト?
麹菌がエサになるのはわかった。
だけど、それを食べる善玉菌はどこにいるの? やっぱりヨーグルトとかかな?
そうですね。ヨーグルトに多く含まれる乳酸菌は、腸内環境を整え感染症を防ぎ、免疫力を高める善玉菌の優等生です。
アレルギー改善に特化したヨーグルトはいろんなメーカーが開発しているし、何より気軽においしく食べられるので、花粉症対策の一つとして積極的に取り入れたいもの。
でも、日本人が代々親しんできた伝統食も忘れないでくださいね。
味噌やお漬物には乳酸菌がたっぷり含まれています。
さらに、善玉菌は乳酸菌だけではありません。
味噌・醤油・清酒を醸す麹菌、食物繊維やビタミンB2など栄養も豊富なキノコ類、大豆と組んで最強タッグの納豆菌など、日本の伝統食には働き者の菌たちがたくさんいます。
それぞれ働きも違うので、できるだけ多種多様な菌を取り入れるため、いろんな食品を食べることも重要です。
意外に簡単、手作りの甘酒づくり
米麹の甘酒なら、アルコール分ゼロ
甘酒のものすごいパワーがわかったところで、手作りの甘酒づくりに挑戦してみましょう。
甘酒には二種類あります。
一つは、お米を米麹と合わせて発酵させたもの。
もう一つは、日本酒を造る工程で出る濾過物で作る酒粕を、水で溶いて甘味を加えたもの。
私は、アルコールに耐性がないので米麹を発酵させて作っています。
甘酒で摂取できる栄養としては、ビタミンB群、葉酸、食物繊維、アミノ酸(オリゴ糖、システイン、アルギニン、グルタミン)、ブドウ糖など。
さすが「飲む点滴」と言われるだけあって、滋養豊富です。
米麹甘酒の作り方
白米1合を軽く洗って、3合分の水加減で炊く。
乾燥麹一袋を袋の上から揉んでバラバラにしておく
炊き上がったお粥を外釜から取り出し、内釜の中で時々かきまぜて10~15分ほど (季節や室温によって時間は違う)置き、60度まで冷ましたら、ほぐした米麹を入れ、かきまぜる
内釜を再び外釜の中に戻し、蓋を開けたまま保温状態にして上に布巾を掛け、50~60度を目安に8時間そのままにする。
70度以上になると酵素の働きが不活性化するので、温度の確認は小まめにします。
8時間後、だいたいこんな感じにドロドロになる。
パサパサの乾燥酵素と白米が、なんでこんなに・・・・と、びっくりするくらい甘い甘酒の出来上がり。
※炊飯器の温度管理が面倒な人は、もっと手軽に。
鍋帽子で保温したり、温玉メーカーで保温するなど、試行錯誤の末、結局「魔法瓶」に落ち着きました。
あらかじめ80度くらいの熱湯で中を温めてから、白米と麹を混ぜたものを移し、8時間ほどそのまま放置すればOK。
出来上がったら、保存容器に移して冷蔵庫で保存。
一週間を目処に使い切ることをおすすめします。
ちなみに、玄米で作るとミネラルや食物繊維に強力な抗酸化成分が加わり、栄養価がさらにアップ。ちょっとクセのある香りと、白米に比べて抑え気味の甘味が特徴です。
刻んで混ぜてミキサーを回すだけ、毎朝の簡単習慣
甘酒スムージーの作り方
材料は、小松菜1房、バナナ1本、リンゴ半分 好みで適当に。
手作り甘酒大さじ3と豆乳360cc。
私はここにスーパーフード「ホワイトチアシード」大さじ1を入れます。
あらかじめ3倍量の水につけてふやかしておきます。
全部ミキサーに入れて3分ほど攪拌。
まとめ
理想の腸内フローラは、善玉:悪玉:日和見のバランスが2:1:7と聞いて、うーむ。人間社会もこんなところかしら・・・と思いました。
毎日町内を掃除する人、花を植える人。
ゴミを平気でポイ捨てする人、落書きする人。
気分次第では道ばたのゴミも拾うけど、面倒くさくなると分別しないでポイ捨てする。まあ普段はそこらのゴミなんか目にも入らないいう人。
町ごとにその割合は違うけど、きれい好きの多い町では落書きも少ない、犯罪も起きにくい。そんなイメージでしょうか。
どちらにも転びそうな人に、日頃からせっせと贈り物したり美味しいもの食べさせたりして、なんとか善の方に日和ってもらう努力をする、それが菌活。
環境を改善して、それを維持するには、毎日コツコツ積み重ねることが重要なのですね。
これから二ヶ月はもちろん、来年も、再来年も、毎年必ず訪れる花粉の猛威に負けないように、みなさま、少しでも善玉を増やし、腸内環境を整えていきましょう。
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