
思い出のつまった制服のリユースは、
譲る人から受け取る人の手から手へ。
その間をつなぐ存在でありたい。
小中高校の制服専門リユースショップ・リクル 代表の池下奈美さんへのインタビュー後編は、起業後のお話が中心。
起業後、わずか1年足らずで移転拡大を果たした原動力や方法、今後の展開など。
愛と情熱に満ちたお話は続く(^▽^)
→池下奈美さんインタビュー前編はコチラ
目次
必要な人のもとに届ける
「必要な人に届ける」というのは、ご主人からの条件に含まれていましたよね。
夫にも言われましたが、そもそも私も一番懸念した部分でした。
学校の制服販売というと、アダルトなイメージもつきまといますし、最近流行しているコスプレなどに使いたいという人もいると思います。もしかしたらそうした層も見込み客とする方が儲かるかもしれません。
でも私は、あくまでも「学校で着るため」の制服を必要な人に届けたいんです。リクルを始めようと思ったきっかけの「お下がり」の精神です。ネット販売をしないのも、そのためのこだわりです。
ただ、お客様がどんな目的で制服を求めているかを見極めるのは難しい。不特定多数の方が出入りすればするほど困難になります。
それが、女性専用のホテルの中での営業なら、入ってこられるお客様も女性だけですから、見極めがしやすくなると思ったんです。もちろん、女性だからといって別の使用目的がないわけではないですし、転売や代理購入という方法もあるんでしょうけど(笑)
一度に1~2組しか入っていただけない狭めのスペースも、物理的にも精神的にもお客様との距離が近くなるという形でいい方に作用したなと思っています。
開業、そして移転
開業してからのご苦労などお聞かせください。
はじめのうちは、やはり商品が少ないことでした。不要になった制服集めは、お友達からお友達へと口コミでお願いしていたのでどうしても数に限りがあるのと、サイズがそろわないことが悩みでした。これは、たくさんお譲りいただけるようになった今でも同じです。数があっても来られたお客様が欲しいサイズだけないというケースもありますから。これが本当に申し訳なくて。
もう一つ。リクルに託していただいた制服の中には着用していただくには傷みが激しいものもあります。ボタンやファスナーなど、パーツ利用できる部分もあり、一部はバッグやポーチ、アクセサリーとしてリメイクしているのですが、基本的にはすべてお引き取りさせていただいているのですが、それでも追いつかずに使えない制服類を処分しなければならないのが忍びないんです。
1年で店舗を移転、拡大されて大活躍ですね。
ありがとうございます。活躍と言っていただけると面映ゆくもありますが、制服のストックが増えて場所が足りなくなったので置き場所の確保のため、が一番の理由です。とはいえ、ここもすでに手狭なんですけど(笑) ありがたくも嬉しくもあるけれど、やはりストックの置き場所が一番、頭を悩ませるところです。
移転のための資金は、助成金のほか、クラウドファンディングでたくさんの方に協力していただきました。
クラウドファンディングですか。新しいシステムというイメージですね。着手なさった経緯と成果を教えてください。
いずれ移転することは、事業のスタート時から考えていたのですが、思ったより早く最初の場所が手狭になって。間借りしているホテルにご迷惑がかかるくらいストックが増えてしまったんです。でも、開業間もないため資金は限られているし。悩んでいたら、知り合いからクラウドファンディングのことを教えてもらいました。インターネットを通して出資者を募るなんて、実績もない私にできるだろうかと怖くもありましたが、とにかく動き出さなきゃスタートできないと思って、思い切りました。
たくさんの人から支援していただいて、目標が達成できた時は本当に嬉しかったのと同時に、これだけの方に応援していただいているのだからそれに応えなきゃという、新たな自覚も生まれました。
直接の出資でなくても、クラウドファンディングを通じてリクルを知ってくださった方もいらっしゃいました。認知度がアップしたという点でもとてもいい経験をしました。
今後の展望
事業を継続するために一番大切なものは何ですか。
その仕事が好きで、どうしてもやりたいという熱意です。もちろん事業として続けていくためにはそれだけではいけませんが、一番の根っこの部分にそれがないと足元がしっかりしません。極端な話、実務的なものは仕事をしながら、必要に迫られて覚えていけばいいんです。覚えなきゃいけないこと、新たに取り組まなきゃいけないことが多くて大変なこともありますが、この仕事が好きだから、大変なことにも取り組んでいけます。
今後の計画や目標をお話いただけますか。挑戦してみたいことは?
ひとつは新店舗のオープンです。リクルは、石川県内全域の制服を扱っているのですが、それだけに遠方からのお客様も多い。能登や加賀から時間をかけて来てくださっても、必ず求めている制服があるとは限らない。それが申し訳なくてたまらないんです。能登や加賀にも店舗があれば、そんなご苦労をかけなくていいのにと思うと、店舗展開はどうしてもやりたいことのひとつです。
Profile
池下 奈美(いけした・なみ)
1979年4月3日生まれ、 A型。
夫と子供の2人がいます(高校生と中学生)
スポーツはバドミントンをずっとやっています。今もママさんバドチームに所属しているものの、なかなか練習に行けないのが悩み(>_<)
好物は肉と酒。座右の銘は『為せば成る 為さねば成らぬ何事も』
色々な仕事をしてきましたが、リクルが一番好きです!
制服リユースリクル
住所
金沢市小金町14-8 山下ビル1階
電話番号
070-4132-4587
営業時間
月・水・金・土 11:00~15:00(火・木・日・祝日はお休みです)
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