
今回の妄想書評は、みうらじゅん氏の著書でゴザイマス。
みうらじゅんと言えば、ワタシが最初に認識したのは漫画家としてデシタ。
オットは「タモリ倶楽部」だと言います。
分かる。
分かるっていうか、安西肇氏とセットで浮かぶ感じはワタシにもあります。
あの2人のサングラスかけてる方、みたいな。 ←失礼な見分け方
そもそも「みうらじゅんって誰よ」という方には、
『マイブーム』や『ゆるキャラ』という言葉を生み出し、ブームを仕掛けた方と言えば、「なるほど」と思っていただけますでしょうか。
その方の新著(文庫版が)デス。
『「ない仕事」の作り方』
みうらじゅん 文春文庫
目次
「ない仕事」を作るって何?
みうらじゅん下積み時代の苦労話かと思ったヨ。
「ない仕事」と聞いて(見て)、
「みうらじゅんも若い頃は仕事がなかったのかー。下積み的な時代もあったんだなぁ」と思ったワタシ。売れっ子かつブームの仕掛け人的なイメージしかなかったんだけど、売れない時代の苦労話や、みんなが知ってるみうらじゅんが誕生するまでみたいな、自伝的な内容なのかと思って手に取った次第でゴザイマス。
かと思ったら、大間違い。
何が間違ってたかというと、そもそもの大本から。
「仕事がない」と「ない仕事」は全くの真逆だったヨ、という内容。
「ない仕事」というのはつまり「まだ世の中に認識されていない仕事」というコトで、つまりワタシたちのよく知っているブームの仕掛け人であるみうらじゅんの頭の中身をちらっと覗かせてくれてるのが本編でした。
「マイブーム」しかり、「ゆるキャラ」しかり。
それらがどうやって生み出されたかという、みうらじゅんの仕事術のお話デス。
面白くてもう一気読み。
読むのが早い人なら1~2時間で読めちゃうんじゃないカシラ。
それでいて、読後は情熱大陸やプロフェッショナル仕事の流儀を見た後のような充実感。
語り口はもっとライトな感じなんですケドね。
すべてのフリーランスが真似するべき仕事術
会社員も真似すると良い。
帯にも書いてあったケド、みうらじゅんの仕事の仕方は、一人電通式というのだとか。
それも、ご本人がネーミングしたのだそうですが。(博報堂と仕事をするトキは「一人博報堂」にネームチェンジする)
仕事術を大公開! という帯の謳い文句に違わず、企画の持ち込みからプレゼンのタイミング、接待の極意にご縁のつなぎ方、そもそもの企画の作り方も公開、というか余すところなくしたためられています。
社長であり、企画者であり、営業であり、クリエイターであり、タレントという名の商品でもあり。もちろん経理もやっているんだろうケド。
一人で仕事をするフリーランスにとっては、業種を問わず参考になるコトばかり。
もちろん、会社にお勤めのミナミナサマ方にもオススメでゴザイマスですよーぅ\(^O^)/
上司のいる飲み会での振る舞いなんかもちらっと触れられていたりして、みうらじゅんほどの人でも「仕事ができるダケじゃだめなのよ」みたいな話が書かれてました。
てゆーか、仕事がデキる人は、人付き合いや気配りもきちんとデキるのね、ってカンジ。ちょっと惚れそう……ではないか(笑)
みうらじゅんはやっぱり神
「普通」ではないという意味で。
ご本人も中でおっしゃってます「普通じゃダメ」と。
といっても、ごく一部の生まれつきの才能に恵まれた的な「普通じゃない」ではなく、とことんまで突き抜けろ! とおっしゃってました。
趣味にしても「またやってる」ではまだまだ甘いのだとか。
「まだやってる」と言われるまで執着しろと。そこからがスタートなんだと!
例えば「ゆるキャラ」。
思い起こしてクダサイ20年前。
当時から「ゆるキャラ」的存在は、全国にいました。ただ、えもいわれぬ微妙なキャラクター設定に、誰も見向きもしなかった。当時存在した地元のゆるキャラって覚えてますか?
ワタシは覚えてないデス。
キャラクターと言えば、耳にリボンをつけたあの猫だとか、夢の国のあのネズミだとか、麦わら帽子かぶってスナック菓子を宣伝するあのおじさんだとか、そのくらいじゃなかったデスか?
そう。20年前には存在があやふやでキャラ付けも微妙なご当地キャラクターたちには総称がなかった。
それを「ゆるキャラ」と名付けたのがみうらじゅんなのですが、
彼の人も「コレ、おもしろいんじゃね?」と思ったものの、はじめはアプローチも難しく「うちのキャラクターはゆるくない」と叱られたり、変なヤツと思われることもしばしばだったとか。
微妙なキャラクターを追っかけるうち、自分でも何が面白いのかわからなくなったりもしたそうです。
そんなトキの対処法は「自分を洗脳する」。
自分はあの微妙なご当地キャラクターが好きで好きでしょうがない。その証拠にほら、スケジュールを確認して追っかけもするし、グッズもこんなに集めてる(当時、販売されてるグッズも少なくて、自治体などにお願いして配布用のパンフレットやシールを譲り受けていたのだとか)。
そうやって数がそろってくると、だんだんと「こんなにまでしてるんだもの。自分はコレが好きなんだ!」と思えてくるのだとか。恐るべし、自分洗脳。
この手法は、本の随所に出てきます。
全国のお土産屋さんで天狗グッズや「もらって嬉しくないお土産」もそうやって買いまくったのだそうです。すげぇな、みうらじゅん。
自分洗脳は、仕事だけじゃなく、人付き合いなんかにも応用できるなーと。
妄想族なら、楽しく自分を洗脳できるよなぁ、とか。
否、妄想による自分洗脳って、日常的にやってるじゃんとか。
(ただし、思い起こせばすべて非生産的なコトに使ってましたが泣)
突き抜け続ける人生さ、とはおっしゃってませんでしたが、そんな人生を送ってるみうらじゅん。やっぱ神だわ(普通じゃないという意味で)。
結論 好きなものは好きと世界の中心で叫ぼう♡
仕事術の話ではなかったのか。←仕事をする上で大切にしたいコト
読後は、葉加瀬太郎のバイオリンやスガシカオの歌声が聞こえてきそうな……と言った気がしますが、もうちょっと間延びした曲の方がみうらじゅん氏の望むところかも知れません。そんな気がします。多分気のせいではない気がします(気のせい)
読み終わって思ったのは、「好きなものは好きと世界の中心で叫ぼう」ってコトです。
どっかの空港だか駅だか(うろ覚え。てか見てないのでしっかり知らないのに引き合いに出すセルフ罠。しかも調べないという)で「誰か助けてくださーい」と叫べってことではアリマセン ←当たり前デス
ワタシやアナタの好きなものが、どんなにマイノリティだとしても、周囲から引かれるものだったとしても、好きならとことん突き詰める。やりたいコトなら四の五の言ってないでやってみる。
ソレが仕事につながったり、人生の張り合いになったりするんだと、勇気をもらえたりします。多分(笑)
紹介分の結びに(笑)って入れたくなる、エンターテイメント性に富んだ仕事術の本でゴザイマシタ♡
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