
先日、父親を連れて物忘れ外来を受診してきました。
目次
物忘れ外来受診のきっかけ
ある日、父親に駅までのお迎えを頼んだ時、ちゃんと迎えに来てはくれたのですが、家に帰ったあと、ちょっと近くへ外出しました。
すると、その後父親から、
「何時に迎えに行けばいいんや」
と電話がありました。
「え?何言っとるん?さっき自分で迎えに来たやん。」
と言いつつも、ちょっと、これはおかしいぞと思いました。
兆候はずっと前からあったのかもしれません
ちょっとこれはおかしい、もしかしたら認知症?と気にしだすと、色々と気になることがありました。
夜ご飯の前に、父がビールを持って居間に行ったあと、「ご飯食べるよー」と呼んだら、台所に来てまたビールを出したり。
「さっき居間に持ってったやん」
というと居間で飲んでいたことを忘れていたり。
何かしらの行事で出かけなければいけない事は覚えていても、何時に、どこに、行かなければいけないかと言うことを忘れていたり。
もし認知症かもしれないと言う意識がなければ
「なんで忘れるん」とか「なんで覚えれんの」
と責めるような言い方になっていたかもしれません。
そうして思い返してみると、ちょっとおかしいぞと気づく前から兆候はありました。
今にして思えばその時に、杞憂に終わるかもしれないけれども、いち早く「もの忘れ外来」を受診していれば……
もしかしたら認知症になる手前で進行食い止めることができたかもしれません。
自分の親に限ってというフィルターは外すべき
もっと早く受診して入ればと、今になっておもいますが、
やはり、
「自分の親に限って」とか
「まさか認知症になるわけない」というか思いたくない
という気持ちがやっぱりどうしても意識の中にあったんだと思います。
そして、覚えていない、忘れてしまうことは、
『直近の出来事』
だけだったので、認知症やアルツハイマーというよりは、年齢的にちょっとボケてきたのかな?と勝手に思っていた部分もあるかもしれません。
でもそういう、
「そんなはずはない」とか
「たぶんこうじゃないか」
という勝手な思いで受信が遅れれば遅れるほど進行は進みます。
医者ではないのだから、何かおかしいと思ったらすぐに受診すべきでした。
物忘れ外来は初診時は予約が必要なことが多い
では、いざ病院へ行こう!
となった時にどこへ受診に行けばいいのか?
何科になるの?
直近のことを忘れるのは、認知症の検査のところだけでいいの?
もしかしたら脳自体に問題がある可能性は?
そうしたら脳外科?
と、とにかくどこに行けばいいかわからなかったので最初は近くの総合病院へ行きました。
すると「物忘れ外来」という科があるとわかりそこへ行くことになったのですが、初診は予約が必要だったため、結局その日は予約だけして帰りました。
どこへ受診しに行けばいいかわからない場合は、かかりつけ医や自治体の福祉課、地域包括支援センターなどの窓口に相談しに行くといいそうです。
そういった窓口では、地域にある「物忘れ外来」を紹介してくれます。
また医療機関によっては
- 「物忘れ外来」
- 「認知症外来」
などと名称が違うこともあります。
そしてほぼどこの「物忘れ外来」も初診時は「予約」が必要なことが多いです。
ですので、まず近くの、行きやすい物忘れ外来の病院を確認し「予約」をとりましょう。
受診時は家族も必ず一緒に行く
「物忘れ外来」を受診するときは、必ず本人の普段の様子を把握している家族も一緒に行きます。
「物忘れ外来」を受診するということは、本人にとってもストレスになるだろうし、緊張もします。
そして本人が覚えてないことについて、医師から家族に尋ねることもあります。
本人が気にしていない、気付いていない事で、家族が気になる事とか。
診断内容を家族がきちんと覚えておくことも重要です。
知り合いが教えてくれた病院へ
総合病院の「物忘れ外来」の予約を取りましたが、その後、知り合いの親が受診しているという医者を教えてくれたので、そちらで受診しました。
たんにそちらの予約の方が早かった、というのと、知り合いからオススメされたというのが大きいです。
総合病院ではないので、その分精神的に受けるストレスもまだ小さくて済むかなという思いもあります。
もちろん総合病院なら、MRIなどの診察が必要になった時、その場で済むので楽という利点もあります。
あと総合病院へ行くならやっぱり「紹介状」があった方がいいのかなと思います。
はじめての「物忘れ外来」受診
父を連れて「物忘れ外来」へ。
予約時に、
- 必ず普段の様子をわかっている家族が同伴すること
- 尿検査がある
ということを聞いていたので、出がけにトイレに行こうとした父を止め病院へ。
あ、あと前日はしっかり睡眠をとるように。
緊張したり疲労があるとちゃんとした診断結果が得られないこともあるので、前日はしっかり寝るように促しましょう。
そして普段飲んでいる薬があるならそれも持参しましょう。
病院へつくと、まず尿検査。
そしてその間に、問診票を記入。
家族が書く問診票もありました。
家族から見た様子を確認するものですね。
そして、医師による診断。
この時に認知症テストもありました。
「長谷川式認知症スケール」というもので、時々テレビなどでも紹介されていますが、30点満点中20点以下だった場合、認知症の疑いありと診断されます。
父は、残念ながら18点でした。
横で見ていて、ちょっとショックでした。
まぁテストの様子を見て、ちょっと自分の中で覚悟を持った瞬間でもありました。
物忘れが激しいからといって認知症とは限らない
実は「物忘れが多い=即認知症」というわけではないそうです。
単純に加齢による「物忘れ」、いわゆる老化現象によるものだったり、病気による記憶障害、そして認知機能の障害など様々な原因があるらしくまずはどの型なのかを判断しなければならないそうです。
- アルツハイマー病
- レヴィー小体型認知症
- 前頭側頭型認知症
これらのタイプは「変性疾患」と呼ばれるもので、脳の神経細胞の数が徐々に減少していく病気。
残念ながら根本的な治療法がないので、薬によって症状の進行を遅らせる対症療法をとっていくことになります。
- 血管性認知症(脳梗塞や脳出血が原因で起こる認知症)
- 正常圧水頭症
- 甲状腺機能低下症
- パーキンソン病、パーキンソン症候群
- 脳腫瘍
- ビタミン欠乏症
等
病気によって引き起こされる場合は、その原因となっている病気を治療することで予防や治療することが可能なんだそう。
そして老化による物忘れと認知症の違いは、老化による物忘れはヒントを与えれば思い出せる、
例えば「昨晩の夕食のおかずが何だったか忘れている」などが典型例です。
ヒントがあれば忘れたことをすぐに思い出せるので、日常生活に支障はありません。
一方で、認知症による物忘れは、体験したことそのものを忘れているので、ヒントがあっても思い出すことができない。そのため日常生活の継続が難しくなってしまう。
「昨晩、夕食を食べたこと自体を思い出せない」という症状です。
記憶を司る海馬
しかし、家族の物忘れが果たして、老化現象なのか、それとも認知症なのか、それはやはり医者に行かないと判断できません。
「記憶」は脳の「海馬」と呼ばれる部分が司っています。
「海馬」には記憶の壺のような物があるそうです。
(厚生労働省「認知症を理解する」より)
イメージとしてはこんな感じで、壺の縁に手のような?、イソギンチャク?のような形のものがあり、新しい記憶がやってきたときに、この手でキャッチします。
そして壺の中へと入れられ、記憶として保存するのだそう。
なので「記憶の壺」に入ってしまえば普段思い出さなくても、必要なときに情報として引き出すことができるというイメージです。
歳をとると壺の縁のイソギンチャクの力が衰え、一度に大量の情報を掴んで置けなくなるのだそうです。
また掴んだ情報を壺に入れるのも時間がかかったり、壺の中から情報を取り出すのに時間がかかったり、時々間違えたりします。
ただイソギンチャク自体は機能してるので、数回繰り返すうちにちゃんと記憶として定着していきます。
しかし、認知症の場合、このイソギンチャクの手の機能が衰えてしまったり、変形してしまい、新しくやってきた「記憶」をキャッチすること自体ができなくなってしまうのです。
「記憶」をキャッチして「壺」に入れることができないため、「記憶」そのものを残すことができなくなってしまう。
そして、この状態が進んで行くと、「記憶の壺」自体も壊れはじめ、「壺」に入れていたはずの「記憶」も流れ出てしまい、覚えていたことすら忘れていってしまうのです。
「記憶の壺」の情報は、一番下には一番最初に覚えた情報が入り、だんだんとその上に新しい記憶が積もって行くような感じです。
なので一番最初に覚えた「言葉」は最後まで覚えているのだとか。
MRIで脳の形を診断します
ではその海馬の形がどうなっているのかは、MRIなどの画像診断により判断できるそうです。
CTを使うこともあるそうですが、MRIの方が、骨の影響を受けにくく病変と正常組織の濃度差がわかりやすいのだとか。
ただMRIは金属やペースメーカなどの機械類が体内にある場合は、使えないこともあるそうなので、病歴や、どこの病院で手術をしたかなども受診時にわかるようにしておきましょう。
MRIは総合病院などの大きな病院にしかなかったりします。
今回は診察を担当してくれた医師の方で、総合病院のMRIの予約をとってくれました。
その方がスムーズですしね。
総合病院で撮影したMRIの画像を診て診断結果が出ます。
医師から言われた認知症予防で気をつけること
まだ診断結果は出ていませんが、まずお医者さんから言われたことは
- 水を飲む
- 歩く
この2点。
まず、「水分をしっかり、できれば1時間にコップ1杯くらいの量を飲んでください。」と言われました。
というのも、脳みそが活動するためには水分が必要不可欠なんだそうです。
知らなかった……
お肌のために水を取るというのはよく聞きますが、脳の健康のためにも水分は重要なんですね。
私もお父さんと一緒に水を飲もう。
ちなみに、緑茶や紅茶、コーヒーなどは、水分をとるという点ではあまり良くないそうです。
カフェインが含まれているものは利尿作用が働くため、せっかくとっても水分が体外に出ていってしまうんです。
なので「水」です。
別にわざわざ買ってこなくても水道水でも十分です。
石川の水はおいしいですから。
どうしても「水」はちょっと、という場合は「ほうじ茶」や「棒茶」などのカフェインの少ないもので。
もちろん緑茶やコーヒーを嗜好品として飲むのは全然いいですよ。
次に「歩く」ということ。
やはり何はともあれ「運動」が一番いいそうです。
マラソンとか激しいものでなくていいんです。
「散歩」で十分だそう。
まずは一日10分からスタートしてくださいと言われました。
なるべく毎日。
毎日10分歩く、そして歩く距離をちょっとずつ伸ばしていく。
そのうち1時間くらい歩けるようになるので、まずは1日10分歩くことから。
初めて「物忘れ外来」を受信するときに用意しておくといいもの
- 保険証
- お薬手帳
- 現在飲んでいる薬があるならそれも一緒に持っていく
- 既往歴と手術歴をまとめたもの
- どのような症状があったかをメモしたもの
保険証やお薬手帳は当然持っていくと思いますが、家族も聞かれることが多いため、
どうして受診しようと思ったのか、
どういった症状があったのか、
既往歴や手術歴、手術したことがあるならどこの病院だったかもまとめておくと落ち着いて受診できますよ。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。