加賀藩御用達菓子司「森八」の氷室饅頭を味わう!

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2019-06-27 15.24.53

金沢の初夏に、無病息災を祈って金沢の人たちが食する氷室饅頭。

その食べ比べ企画にエントリーした中で、もっとも小ぶりで、もっともお酒の風味が芳醇な、ちょっぴり大人の味だったのが、森八の氷室饅頭でした。

 

目次

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食べ比べてわかる、日本酒の風味

森八の氷室饅頭は、なめらかな餡としっとりとした皮の後味に、ふんわりとお酒の風味が残る酒饅頭。豊かな日本酒の香りが鼻に抜け、生地に混ぜ込まれた酒種の存在ははっきり感じることができます。

今回、五軒の和菓子店の氷室饅頭を食べ比べた中で、全員が

「いちばんお酒の香りがする」

と口をそろえたここの商品。酒粕というより日本酒そのものの風味を感じるという感想もありました。

 

とはいっても、もちろんアルコールは添付されていないので、お子様でも、よほどお酒に弱い人でも問題なくいただけると思います。

ちなみに私は、奈良漬け数切れで真っ赤になるくらいお酒に弱い体質ですが、このお饅頭を丸ごと一ついただいても顔色に変化はありませんでした。

天然色素使用の優しい色合いの三色

皮はオーソドックスに白・桜色・若草色の三色。紅花やクチナシの天然色素を使用した、どれも自然な淡い色合いです。

三色とも餡はすべて同じこし餡です。

消費期限は翌日まで。
これはどの店の氷室饅頭も同じだと思いますが、鮮度が命の商品ですから、買い求めたらできるだけ早く、皮のふっくら・しっとりが損なわれないうちにいただきましょう。

なめらかで甘みを抑えた餡子

半分に切って断面を見ると、四角く成形された餡がみっちりと詰まっています。

森八では、商品によって数十種類の餡を炊き分けているとのことですが、むしろこれがお饅頭の餡?と驚くほど、羊羹のような密度となめらかさです。

 

ふっくらとした風味の良さが特徴の能登大納言小豆、能登の粗塩を原材料にした餡は、小豆の皮の雑味も特有のパサつきも感じません。

小ぶりだけど決して一口で平らげず、口の中に広がる芳醇な酒の香を愉しみつつ、美味しく淹れたお茶と一緒にゆっくり味わいたい酒饅頭です。

森八の味が変わった?

最近、何人かの口の肥えた金沢のお茶人、和菓子好きから、

「久しぶりに食べた森八さんの餡が変わった。おいしくなった」

という声を聞きました。

 

それがいつからのことか、そして実際に何らかの事情があるのかはわかりませんが、2018年度全国和菓子協会の選・和菓子職「優秀和菓子職」の認定者となった、職人にして若女将・中宮千里さんの存在は大きいと思われます。

「優秀和菓子職」認定は、菓子職人にとって最高の栄誉で、県内では二人目の快挙なのだそうです。

 

新生森八のキーパーソンともいえる若女将は、会社の危機から見事に店を立て直した名物女将の手腕とはまた違った方向から、これからの森八を担っていくことでしょう。

そんなことまで、一つの氷室饅頭から感じさせられました。

森八 本店情報

ひがし茶屋街、金沢城公園にほど近く、近江町や兼六園も徒歩圏内の大手町。

どの観光地からもアクセスのいい立地に、街並みに溶け込む古い商家の風情を残した森八本店があります。

一階の店舗では、本店限定の商品も置かれている他、大正天皇即位時に献上した落雁や、由緒ある茶器・菓子器が展示され、森八の歴史を伝えています。

 

二階は江戸時代から使われてきた菓子木型を展示した「金沢菓子木型美術館」、茶室「楽庵」、イートインスペース「森八茶寮」もあります。

予約限定で落雁づくり体験なども開催されるなど、観光施設としても楽しめます。

店名 森八 本店
TEL 076-262-6251
住所 石川県金沢市大手町10-15
営業時間 9:00~18:30 (1月・2月のみ9:00~18:00) 行内改行
定休日 年中無休 1月1日・2日のみ休業
駐車場 店舗横に13台分あり
お店のウェブサイト https://www.morihachi.co.jp/

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この記事の著者

Kumi

Kumi

金沢在住。単行本を中心に原稿を書いているフリーライターです。
日本中の「すごい人」に会って話を聞き、記事を書き、書籍を作ることを生業にしています。

着物、お茶、和の文化にハマり始めた遅咲きビギナー。
金沢"和活部"を立ち上げ、和文化の楽しみ、金沢の魅力を発信していきます。

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