金沢の茶人御用達『吉はし菓子所』の和菓子をいただく

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20180318町家塾茶会44

金沢で格の高お茶席といえば、ここのお菓子は外せない。

『吉はし』は、菓子激戦区の茶所・金沢にあって、お茶をたしなむ人たちの間からゆるぎない評価と信頼を寄せられ続けている名店です。

お茶人向きのお店だと思っている人もいるようですが、個人客でも少数でも注文すれば買い求められます。
ちょっと贅沢に、和菓子で季節を味わいたいときに、予約販売のみのスペシャル感込みで『吉はし』の和菓子はいかがでしょう。

目次

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ここぞ!というときのおもてなしに

正式なお茶席に出ない限りなかなかお目にかかれない吉はしのお茶菓子。金沢市内で数店舗、お抹茶メニューの菓子として取り扱うカフェでは、わざわざ「吉はしの上生菓子」と掲げて看板メニューにするほど、高いブランド力を誇ります。

支店がなく、駅ナカや観光スポットのみやげ物店で気軽に買うことができないため、少しばかり敷居が高く感じられますが、一般の人でも予約販売で購入することができます。

誰でも買うことはできるけど、取り扱い完全予約制で本店での受け取り。もちろん、それを成り立たせるのは和菓子としての完成度あってのもの。

このひと手間必要なぜいたく感は、ちょっと気の利いた手土産や、ここぞというときのおもてなしにぴったりです。

季節ごとに変わる和菓子で、移ろい行く金沢の四季を味わってみては?

まさにアート! お茶会に出される『吉はし』のお菓子たち

丁寧で繊細な季節のお菓子

吉はしの和菓子は主にお茶会で使われる主菓子と干菓子。

お茶会の席で

「吉はしさんのお菓子です」

と紹介されれば、

「ああ、やっぱり。さすがに」

と納得されるほど、金沢の茶人たちに高く評価されています。

私が参加したお茶会で出された、『吉はし』のお茶菓子を紹介します。

その都度、注文を受け意匠を凝らして創作されるお茶菓。

同じものを売っているわけではありませんが、金沢が誇る和菓子屋の創造性の一端をご覧ください。

濃茶の味わいを引き立てる上生菓子

2018年3月 市内某所で開かれたお茶会に出された春先の主菓子です。

春の花々が盛られた青竹の籠をイメージして作られています。

色とりどりのお花をくるむ皮を横から見ると、竹籠に見立てたいげた模様がそっと刻んであります。仕事が細かいです。

 

『吉はし』さんらしい上品でふっくらした餡が、そのあとに出される濃茶の苦みを中和して、ほんのり甘い後味を残します。

季節を写す意匠がいっぱいの干菓子

同じく2018年3月の某所お茶会で薄茶のとともに出された干菓子2点、つくしと雪の下の梅の花です。

つくしの頭を細かいあられで表現するなど、一つひとつの仕事が繊細で工夫に富んでいます。

お茶会の意図を組んだ大胆な創作菓子

2018年10月、「ザ・ビートルズ茶会」に出されたお菓子。

ザ・ビートルズのホワイトアルバムのジャケットを模した求肥の皮から、レコードに見立てたこし餡がちょっと覗いています。そして、ホワイトアルバムと同じように、一つずつ番号が刻印されている芸の細かさ。

こういう実験的なお茶会にも、しっかり意図を組んでテーマに沿ったお茶菓子を作ってくれます。

 

『吉はし』の桜餅を食べてみた

カジュアルなお茶のお供に

お花見シーズン、どこの和菓子店でも力を入れるのが桜餅。

お茶菓子で定評のある『吉はし』でも、この季節には特製の桜餅が売り出されます。

通常、お茶の席には楊枝で切りにくい餅系や、かぶりつかないと食べられない団子系のお菓子は出されません。桜の葉っぱでくるんだ桜餅も、正式なお席には出てきませんが、桜の葉の香りが一瞬にしてお部屋を春の空気で満たす桜餅は、季節和味わう定番菓子として、カジュアルなお茶のお供に欠かせません。

一瞬にして桜の園

箱を開いたとたんに、濃厚な桜の香りが部屋全体に広がります。

葉っぱは大振り。二枚の間に挟まれた中のお餅がまったく見えません。

何だ? この暗く沈んだ深緑のトーンは…。

しかし、この渋~いビジュアルこそ、ゴージャスな桜の香の発信源。

全体をすっぽり包んだ桜葉を開いてみると、こんな感じです。

一見ごっつい外観からピンクの皮が出現!

ただし、葉っぱをわざわざめくらなければこのかわいい色は目に入りません。

そして、葉っぱは断然はがさない方がいいです。

なぜなら…。

葉っぱの噛み応えに押し出された、もっちりした餅と蕩けるような餡子が自然に溶け合いお口の中に広がる、その一体感が損なわれるから。

歯ごたえ、香り、噛み応え、そして味と、すべてがひとつなって口の中に生まれる桜餅ワールド!

口の中で、香りと塩みと甘みが調和する

最初のワンバイトでは桜の香りを味わうため、あえて塩味は内側だけにつけられているのではないでしょうか。そんな気がします。もしそうなら本当に芸が細かい。

葉脈まで雑味なく口の中で調和する絶妙な葉の柔らかさと歯応え。

そしてにじみ出る塩味と、後に続くあっさりこし餡の穏やかな甘み。

それらが口の中で調和して、桜餅は口の中で完成します。

予約は前日15時まで

『吉はし』は、ひがし茶屋街から少し外れた住宅街にあります。

注文を受けてから作る完全予約制です。

注文は前日15時まで。

店名 吉はし菓子所
TEL 076-252-2634
住所 金沢市東山2-2-2
営業時間 9:00 ~ 18:00 行内改行
定休日 日祝日午後
駐車場 店前にあります

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この記事の著者

Kumi

Kumi

金沢在住。単行本を中心に原稿を書いているフリーライターです。
日本中の「すごい人」に会って話を聞き、記事を書き、書籍を作ることを生業にしています。

着物、お茶、和の文化にハマり始めた遅咲きビギナー。
金沢"和活部"を立ち上げ、和文化の楽しみ、金沢の魅力を発信していきます。

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