
フィギュアスケート・グランプリシリーズもすでに4戦を終え、本格的にフィギュアスケートシーズンに突入しましたね。
今シーズンは平昌オリンピック前のプレ・オリンピックシーズンということもあり、各選手様々な挑戦をしてきているみたいです。
何と言っても羽生結弦選手がシーズン初戦のオータムクラシックでは、世界初となる4回転ループを決めたり、ジュニアからシニアに転向したばかりのネイサン・チェン選手がいきなり4種類の4回転ジャンプに挑戦して来るなど、シーズン開幕から男子シングルはすでに4回転バトルが繰り広げられるというかつてない高難度の闘いが巻き起こっています。((;゚Д゚))
おそらく次の平昌オリンピックでは間違いなく男子シングルが目玉になるでしょう!!!(たぶん)
ところで、各選手がさらなる進化と挑戦に励む中、私たちはただ観戦しているだけでいいのでしょうか?(いや、いいんですけど)
せめてジャンプの種類くらいは見分けられるようになりたいと思いませんか?
もちろんフィギュアスケートにはジャンプの他にもステップやスピンなどたくさんの要素がありますが、やっぱりシングルの花はジャンプ!でしょう。(私的には)
そしてジャンプが見分けられるようになったり、ルールがわかって来るとよりフィギュアスケートが楽しくなるんです!!
フイギュアスケートの歴史
そもそもフィギュアスケートの始まりとは
そもそもスケートの起源は、なんと旧石器時代にまで遡るらしいです!!
スイスやイギリスなど、ヨーロッパの広い地域でマンモスやシカなどの骨を加工して作ったとされる獣骨のスケートが見つかっているんですって。もっとも、このころのスケートはスキーやソリのように物資を運ぶ手段として使われていたみたいですけどね。
スケートの歴史
そして中世以降になると、オランダやイギリスの沼地や湿地帯でスケートが発展していったそう。
特にオランダは、街中を運河が多く流れ、アムステルダムは「北のヴェネチア」と言われるくらい運河が多いんです。そして冬になり運河が凍るとアイスリンク代わりになるので、スケートはあらゆる階層の人々の娯楽として発展したみたいですよ。
そういえばソチ五輪でも、スピードスケート男子5000mと500mでオランダが金銀銅を独占してましたね。生活に根付いてるんでしょうね。
フィギュアスケートとスピードスケート
娯楽としてのスケートが発展していくにつれ、農民と貴族との間でスケートに対する考え方の違いが浮き彫りになってきます。
農民階級の人々は、目的地にできるだけ早く着くことを重視しました。当然ですね。
ところが、貴族階級では優雅さや芸術性を重要視しました。まぁ貴族は時間を持て余してるでしょうからね。そのうち、貴族階級の人々は、両腕を組み背筋を伸ばして滑走する独特の滑走術を生み出しました。このオランダ貴族の滑走術(スケート)がヨーロッパ各地の貴族階級に広がります。
これがフィギュアスケートとスピードスケートとなってそれぞれ発展していったのかな?
フィギュアスケートの語源
その後、オランダ貴族のスケートがスコットランドに伝わりアウトやインのエッジでサークルやハートなどの図形を描きながら滑る技術が研究されるようになりました。
つまりフィギュアとはリンクの上に図形(フィギュア)を描くように滑ることに由来し、語源となったのです。(立体造形物のフィギュアとは全く関係ないですよ。)
一方で、フランスやドイツでは芸術的な動作が研究されていきました。
日本のフィギュアスケート
日本のフィギュアスケートの発祥は、1877年(明治10年)に札幌農学校のアメリカ人教師ウィリアム・ブルックスがスケート用具を日本に持ち込んだことを起源とする説や、1897年(明治30年)頃にアメリカ人のデブィソンが、羽生結弦選手の出身地でもある宮城県仙台市の五色沼で子供達にフィギュアスケートを教えたのを、日本のフィギュアスケート発祥とする説もあります。
その後1920年(大正9年)に日本初のスケート統括団体である「日本スケート会」が設立されました。1922年(大正11年)に、長野県の下諏訪リンクで初めての公式試合となる第1回全日本競技会が開かれ、1925年(大正14年)に国際スケート連盟に加盟しました。
フィギュアスケートの種目
フィギュアスケートには、男子シングルスケーティング、女子シングルスケーティング、ペアスケーティング、アイスダンスがあり、これら4種目は冬季オリンピックの正式競技として採用されています。また団体で演技するシンクロナイズドスケーティングという種目もあり、オリンピック競技にはなっていませんが、世界選手権が行われています。
男女シングルスケーティング
男女ともに各1名で競技を行う種目です。
ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の2つのプログラムがあり、 先にショートプログラムが行われます。冬季オリンピックなど、大会によっては、ショートプログラムで所定の順位に入った者しかフリースケーティングに進めないこともあります。
競技で行われる要素は、 ジャンプ・スピン・ステップ・スパイラルなど。4種目中で最もジャンプの数が多いので、転倒が多い半面、観戦初心者の観客でも見やすく、プログラムの出来栄えは幾分か分かりやすい競技だと思います。
ペアスケーティング
競技ルールでは、「1人の女性と1人の男性から成る2人組」と定められています。
ちなみに名前の順番は「女性/男性」と女性が先に表記されます。コールされる際も同様に、女性が先です。
シングル同様に、ショートプログラムとフリースケーティングの2つのプログラムがありますが、こちらは男女2人でしか表現できない技に重点が置かれます。
競技で行われる要素は、 ジャンプ・スピン・ステップ・スパイラル・リフトなど。ペアスケーティング独特の技である男性が女性を頭の上に持ち上げるリフトや、男性が女性を投げ出すようにジャンプを行うスロージャンプがシングルとの大きな違いです。ただ、中には失敗すると危険な要素も多く、フィギュアスケート競技の中で、最もダイナミックでアクロバティックな競技です。
その分、会場で実際に生観戦すると、シングルよりもより迫力を感じるかもしれません。
アイスダンス
ペア同様「1人の女性と1人の男性から成る2人組」で競技を行います。こちらも「女性/男性」と女性が先に表記されます。
2009年シーズンまではコンパルソリーダンス、オリジナルダンス、フリーダンスの3つのプログラムが行われていましたが、2010年シーズンより、ショートダンス、フリーダンスの2つのプログラムに変更されました。
ペア同様、男女2人で競技されますが、ペアと異なるのは、アイスダンスではリフトやジャンプが制限されていて、ステップの技術に重点が置かれています。また、女性と男性が離れての演技は基本的には禁止されています。
アイスダンスは別名「氷上の社交ダンス」とも呼ばれていて、リズムのタイミングや音楽表現、2人のユニゾンなどが評価ポイントであり、見どころでもあります。
フィギュアスケートのジャンプは全部で6種類
ここからは、シングルスケーティングのジャンプの種類をまとめます。
ジャンプの種類:難易度順
ジャンプの種類は全部で6種類あります。
一応難易度順に書きますと
- トゥループジャンプ
- サルコウジャンプ
- ループジャンプ
- フリップジャンプ
- ルッツジャンプ
- アクセルジャンプ
もっとも、選手によって得意なジャンプがそれぞれ異なりますので、とりあえずは基礎点に基づくとこうなりますという順番です。
ジャンプの回転数
フィギュアスケートのジャンプは現在、1回転から4回転まであります。まだ5回転できる選手はいません。(・・・が、その内誰か飛んできそうな気もしますが。中国のボーヤン・ジン選手とか)
ジャンプの回転数にはそれぞれ名称があります。(というか単に英語ですが)
- 1回転・・・シングル(Single)ジャンプ
- 2回転・・・ダブル(Double)ジャンプ
- 3回転・・・トリプル(Triple)ジャンプ
- 4回転・・・クアド(Quad)ジャンプ ※Quadruple(クワドループル)の略です
ただ、なぜか4回転だけは4回転ジャンプと言いますね。単に「クアド」に耳馴染みがないからかな?
ジャンプは回転数+種類
フィギュアスケートのジャンプの呼び方は「回転数と種類」を合わせて言います。
羽生結弦選手が世界で初めて決めたのは「クアドループ」。つまりループという種類のジャンプを4回転しましたということ。
浅田真央選手で有名な「トリプルアクセル」はアクセルという種類のジャンプを3回転してますよということですね。
ただアクセルジャンプだけは半回転多いので、トリプルアクセルは3回転半ジャンプなんです。
ややこしいですね〜(笑)
これもジャンプの踏切を意識しながら見ているとわかるようになるから大丈夫です!
フィギュアスケートのジャンプの見分け方
一応わかりやすく説明しているつもりですが、多分なかなか文章だけではわかりにくいと思うので、動画も一緒に見ながら読むとわかるかと思います。
マイケル・ワイス元フィギュアスケート選手が動画で解説してくれています。アメリカの選手で、1999年、2000年の世界フィギュアスケート選手権で銅メダルを獲得しています。1998年長野オリンピックならびに2002年ソルトレイクシティオリンピック男子シングルアメリカ代表選手です。
<動画参照元:MonkeySee>
トゥループ〔トゥ系〕
名前の通りトゥ(つま先)で氷をついて跳ぶジャンプです。
右足の外側のエッジに乗り、左足のトゥをついて踏み切ります。6種類のジャンプで唯一左足でトゥをついて跳びます。
滑ってきた軌道を利用しながらトゥをついて跳ぶので、最も跳びやすいジャンプとされていて、4回転を飛ぶほとんどの選手がこのトゥループジャンプを飛びます。
また、コンビネーションジャンプの2つ目に跳ぶジャンプとしてもよく使われるので、もしかしたら演技中もっともよくみるジャンプかもしれません。
サルコウ〔エッジ系〕
左足の内側のエッジで滑りながら、右足を前上方に振り上げて跳ぶので、跳ぶ瞬間、内股が「ハ」の字のようになります。踏み切るときにスキーのボーゲンのような体勢になったら、サルコウと判断できると思います。
ジャンプする直前の体の進行方向が、ジャンプの回転方向と同じです。流れに乗ったまま飛べるので滑る勢いをそのままジャンプに生かしやすく、比較的飛びやすいとされるジャンプです。
男子ではトウループに次いでよく使われる4回転ジャンプです。
日本の安藤美姫選手が、女性では初めての4回転ジャンプを決めたのもこのサルコウジャンプです。
ループ〔エッジ系〕
右足の外側のエッジで滑りながら、トゥをつかず、そのまま右足で踏み切るジャンプです。離氷も着氷も右足だけです。右足外側のエッジで滑りながら、左足を少し前に出して、滑ってきた勢いを使って踏み切ります。跳ぶ瞬間に、イスに腰掛けたような格好になるのが特徴です。
何度も書いてますが、羽生選手が世界で初めて4回転を決めたのがこのジャンプです。
フリップ〔トゥ系〕
前向きで助走して、後ろ向きに反転した後にジャンプします。ジャンプする直前に左足の内側のエッジ(インサイドエッジ)に乗り、右のトウをついて跳びます。跳ぶ直前に後ろ向きになって飛ぶことが多いです。
ルッツ〔トゥ系〕
左足の外側のエッジ(アウトサイドエッジ)に乗って、後ろ向きに助走し右のトゥをついて跳ぶジャンプです。滑走で描いてきた軌跡と反対の回転をかけながら踏み切るのため滑ってきた軌道を利用できないため、アクセルの次に難しいとされるジャンプです。
ルッツジャンプは「左足外側エッジ」に乗るというのが重要なポイントで、これが「左足内側エッジ」に体重を乗せてしまうとエッジエラーと判断され減点されてしまいます。
見た感じフリップとよく似ていて、見分けるのがとても難しいです。
ただ、ルッツは左足のアウトサイドエッジに乗った状態でジャンプするので、右足のトゥをつくときは足がクロスするのでそこも見分けるポイントになるのではないでしょうか。
フリップとルッツを見分けられるようになったら、『ジャンプ通』と言っていいでしょう!
アクセル〔トゥ系〕
素人にとって、一番最初に見分けられるジャンプだと思います。
アクセルジャンプだけが唯一前向きで踏み切るからです。
よく「○回転半」と言いますが、なぜ「半」が付いているかというと、フィギュアのジャンプは全て後ろ向きに着氷するからです。つまり、半回転多く回るため、体の向きがジャンプに入った体勢と反対向きに降りることになります。
左足の外側のエッジを使って後ろ向きに滑ってきて、ジャンプの瞬間前を向き、着氷する時には後ろ向きで着氷します。
6種類のジャンプの中で最高難度とされるジャンプです。
前向きで踏み切るのは難しいため、選手によっては「トリプルアクセル」よりもさらに高難度とされている4回転トゥループのほうが得意という選手もいます。
ジャンプの基礎点
1回転 | 2回転 | 3回転 | 4回転 | |
---|---|---|---|---|
トゥループ | 0.4 | 1.3 | 4.3 | 10.3 |
サルコウ | 0.4 | 1.3 | 4.4 | 10.5 |
ループ | 0.5 | 1.8 | 5.1 | 12.0 |
フリップ | 0.5 | 1.9 | 5.3 | 12.3 |
ルッツ | 0.6 | 2.1 | 6.0 | 13.6 |
アクセル | 1.1 | 3.3 | 8.5 | 15.0 |
ざっくりとした見分け方
だいぶ、頭が混乱してきているかと思いますが、ざっくりとした見分け方としては、軸足(跳ぶ直前に氷に着いている足)が右か左か、つま先(トゥ)をつくか、つかずにエッジで飛んでいるかがポイントです。
○ 軸足が右足・・・トウループ、ループ
跳ぶ瞬間:左足トゥをとんっとついたらトウループ
跳ぶ瞬間:クッとちょっと腰が下がったらループ
○軸足が左足・・・サルコウ、フリップ、ルッツ
跳ぶ瞬間:右足トウをとんっとついたらフリップかルッツ
飛ぶ瞬間:トゥをつかずに右足を振り上げたらサルコウ
○前向きに踏み切ったらアクセル!
トゥ系ジャンプとエッジ系ジャンプ
トゥ系とエッジ系ジャンプを難易度順に分けて見ました。
トゥ系ジャンプ | エッジ系ジャンプ |
---|---|
トゥループ | |
サルコウ | |
ループ | |
フリップ | |
ルッツ | |
アクセル |
どうしてもわからなかったら跳んでみよう!
ここまで読んで、それでもやっぱりジャンプがよくわからない!のであれば、陸でいいので、実際に飛んでみよう!やってみるとなんとなく感覚的にわかります。たぶん。
そして、何より実感するのは、フィギュアスケート選手の凄さです!!
まず、まともに1回転すらできません!半回転すらやっとだと思います。それも両足で跳んでです。
しばらく練習したら、両足でなら1回転までは行けると思います。そこで調子に乗って、「勢いつければ1回転半いけるかも!?」とか思って挑戦すると、ものすごい恐怖心に襲われれ、まともにジャンプできません。4回転とか理解不能です。それもツルッツルに滑る氷のリンクの上で、細〜いブレードで飛ぶんですよね。もう尊敬しかありません。
もちろん、フィギュアスケートはジャンプだけではないですし、スピンやステップなども素晴らしいですが、とりあえずはジャンプだけでも見分けられるようになると、ちょっと「通」ぶれますし(笑)、なんとなく見ているだけよりももっと楽しくなりますよ。
そしてどんどんフィギュアスケートの深みにハマっていきます。
さぁ、今年の冬はみんなでフィギュアスケートの沼にハマりましょう(笑)。
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