
きものは着たいけどちょっと敷居が高いし値段も高いし・・・
そんなふうに思いこんで二の足を踏んでいる人、結構いるのでは?
実はそうばかりでもないのです。
洋服でも、オートクチュールからユーズドまで、価格もデザインもさまざま。
好みとセンスとお財布に相談しながら、自分にぴったりの一枚を選ぶでしょう?
きものだって同じです。
今回は、金沢のアンティークきものの専門店「装姫」さんのセールで
掘り出し物探しに挑戦してきました。
目次
ユーズド着物攻略法1 誰と行くかが勝利の秘訣
バーゲン会場は戦場だ!
これはもう、物欲女子なら常識中の常識。
たとえそれがきものだろうが洋服だろうが、闘いに挑む心意気は変わりません。
特に今回は、1000円セール。
「わけありきものから掘り出し高級きもの,色無地、留袖袋
仕分けなしでごっちゃまぜで大放出!」
の惹句に心うずきます。
当然、セール初日朝イチ突撃が鉄則です。
今日の戦友は、アンティーク好きなEちゃんと、渋好みのTさん。
二人ともはっきりした好みと良いものを見分ける目を持った強者どもです。
実は私、アンティークも普段使いの紬も、ややテリトリーからははずれています。
そういうビギナーにとって、玉石混淆なセール会場では、きものに詳しく、
自分のこともよくわかってくれる友人たちの存在が、実に心強いのです。
しかも、それぞれ好みが微妙にずれているため、仲間内での争奪戦も起きにくいところがミソです。
掘り出しの協力体制はばっちり。
というわけで、いざ出陣です。
攻略法2 とりあえず、たぐり寄せること
装姫さんは、金沢駅から徒歩5分ほど。大通りを一本入った公園の脇にあります。
町家を改装したイタリアンバールの2階。
駐車に手間取り、開店時間から少し出遅れて到着しました。
さほど大きくないスペースに、色とりどりのきものたちが積み重ねられています。
この中に掘り出し物もお宝も、さりげない顔して混ざっているのか・・・。
すでに会場には戦士たちが集まって、積み上げられた1000円コーナーを掘り出し始めている模様。
とりあえず、掘り返しながら直感に従って「これは!」という一枚を手にしたら、キープの山に加えます。
このあたりの手順は洋服のバーゲンとさほど変わりません。
攻略法3 考えるな、感じるんだ!
気に入った色や模様を目にいっぱい焼き付けて、手触り・着心地を確かめ、何が何だかわからなくなるまで布をひっくり返し、さらに奥の、もっと深いところに埋もれている、まだ見ぬ一枚を探す。
そんなお宝探しもまた、きものの楽しみのひとつ。
ふと横を見ると、同行した友人たちも、それぞれ夢中できものの山を掘り起こしているでしょう。
あえてそんな友人に聞いてみましょう。
「私に似合うのそっちになかった?」
彼女が選んでくれるのは、もしかしたら自分なら絶対に選ばない柄行の一枚かもしれません。
でも、とにかく羽織ってみます。これが意外にいけたりするのです。
洋服に比べると、あなたのきもの歴はまだまだ浅いはず。
布として見たときに好みじゃないと思っても、体に当ててみると全然違って見えることもあります。
そして、帯を合わせるとまた、違った表情になったりします。
「え、これこんなステキなの?」
そんな発見をするのには、こういうきもの市が最適です。
Don’t think,Feel!!
←というわけで、友人から大プッシュされて、嫌々袖を通したら案外しっくりきた一枚がこれ。大正ロマン風な自分発見。
普通に置いてあるのを見ただけでは、おそらく手に取らなかったと思います。
攻略法4 「安物だから」という気持ちでは決して買わない
今回の1000円セール。
普段の自分なら絶対に選ばないきものを買うことができる、ほんとうにありがたい企画でした。
だけど、決して「安物だからどうでもいい」という意識では買わないこと。
これだけはしっかり決めごととしていました。
理由は2つ。
1 いらないものを置く場所はない
きものが増えれば増えるほど、収納の問題に頭を悩ませることになります。
たとえ1000円でも、すぐに着なくなるものを安易に買えば、保管場所をきもの一枚分使うのです。
2 愛着という亡霊は、案外手強い
ものを気軽に買って、いらなくなったら平気で断捨離できる人もいるのでしょうが、
きもの好きに関して言えば、そういう人は少ないはず。
きものという伝統衣裳自体が、「古い・着にくい・動きにくい」の三重苦を乗り越えて、
いまだに日本文化の中枢に居座っている、いってみたら「愛着のかたまり」。
そこに魅力を感じる人ならぱ、
たとえ1000円で買ったきものでも、飽きたからと捨てるのはしのびないはず。
愛着を持てないのなら、最初から選ばなければいいのです。
本日の戦利品の一部
愛着を持って末永く着ていきたいと思えたきものと帯。
これを見ると、自分の好みがあらためてよくわかる気がします。
「いいの選びましたね」
というお店の人の一言で、今日の勝利を確信する単純な私。
戦利品を身にまとい、Eちゃん・Tさんと街を歩こうねと、今から計画中。
金沢にきものはよく似合います。
加賀友禅がこの街にぴったりなのはもちろんだけど、やはりこれは特別な日のフォーマルなきもの。
小紋や紬が町にあふれている風景が普通に見られたら・・・それはそれは素敵なこと!
だから北陸の女子たち、もっときものを着て町に出ましょう。
■アンティークキモノ装姫
住所 石川県金沢市此花町2-7 2階
tel 090-2831-8132
営業時間 11:00~18:00
定休日 月、金
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