
先日、「語彙力」って何? という記事を書きました。
ごきげんよう、トモミ・デラックスです。
語彙力とは「どれだけの言葉(単語)を知っているか」という目安だというお話をイタシマシタが、今回は、
「アナタはその言葉、間違った使い方をしていない?」
というお話でゴザイマス。
新年度も間近の今回は、特に新社会人に覚えて欲しい言葉について書いてみました。
ベテラン社会人のアナタは、間違った使い方なんて、してませんよね? というお話でもあります。
国会でも連呼されている「忖度」
2017年の流行語にもノミネートされましたね。「忖度」
先日、小学生が「オマエ、あいつに忖度しただろー」なんて言っているのを聞いてびっくりしました。
なんか……浸透してるなぁ、って。
多分、2016年までは多くの人は「忖度」なんて言葉、知らなかったんじゃないでしょうか。少なくとも、ワタシの体感的には日常生活で使う人はほとんどいなかったように思います。
ワタシも使ったことありませんでした。……というか、今も使いません。
なぜなら、あまりにも間違った使われ方が広まっていて、正しい意味で使っても正しく受け止められないだろうなーと思うから。
忖度
正しい意味は
「他人の気持ちを推し量ること」
です。
わかりやすく言うと「あの人はこんな風に思ってるだろうな」と考えること。
それ以上でも、それ以下でもありません。
国会で連呼されているような「相手の意図をくみ取り配慮して行動する」というような意味はないんです。
相手の意図をくみ取った上で配慮するだけでなく行動まですることを一言で言いたいなら、
斟酌(しんしゃく)
の方が近いかなぁ。
頭がいいはずの先生方は、どうして「忖度」という言葉を選んじゃったかなぁ……と思ったりするワケです、ワタシ的には。
社会人になると、上司や同僚、得意先など、周囲に気を遣わなければならない場面も多くなります。
そのときは相手が何を思っているか考えるだけの「忖度」ではなく行動を伴う「斟酌」してくださいね。
話の「さわり」はどの部分?
「あまりお時間もないので、さわりだけお話しますね」
「話題の映画だから、さわりだけ話すよ。後は自分で見てね」
なんて使い方してませんか?
話のさわり=冒頭部分
だと思って使ってませんか?
実はコレも間違いです。
話の「さわり」の本来の意味は
「要点」です。
「さわり」というのは元々は邦楽に関係する言葉らしく、義太夫節の最大の聞かせどころを指していたそうです。これが転じて、話の要点を「さわり」と言うようになったのだとか。
だから、映画の内容のさわりはまだ見てない人に話しちゃダメですよ(>o<)
ただ、文化庁が平成28年に行った「国語に関する世論調査」では半数以上の人が「さわり」を「話の最初の部分」だと思っていたそうなので、そのうち意味が変わって
「昔は、『さわり』は『要点』って意味だったらしいよ」なんて言う日がくるかもしれません。
ベテラン社会人も間違えて使いがちな言葉
他にも、
「割愛」は単なる「省略」ではなく「惜しいけど省く」という意味だから
「この部分は、今回は不要なので説明は割愛します」は間違った使い方だったり、
「おっとり刀で駆けつける」のは「のんびり、ゆっくり」ではなくて
「できるだけ急いで駆けつける」という意味だったり、
「うがった見方」は「ひねくれた考え方をしてしまう」ことや「疑ってかかるような見方」ではなく
「物事の本質をとらえた見方」だったり。
日本語って本当に難しいですよね。
自分じゃ丁寧に言っているつもりの「なるほどです」
新社会人編の最後にご紹介するのは「なるほどです」
同意や納得の意味を持つ「なるほど」に丁寧語の「です」を付け加えた言葉
……なんでしょうけど、結論から言うと大間違いな言葉です!
ちょっとコムズカシイ話をすると、「なるほど」は副詞です。
副詞というのは、形容詞や動詞を修飾する単語です。
つまり、本来は副詞である「なるほど」は単独では使いません。
「なるほど」は副詞である他、感嘆詞でもあります。
感嘆詞は感動詞とも言って、感動や呼びかけ、応答、挨拶などを表し、単独で文になる言葉です。
単独で文にはなるのだけど、主語や述語、修飾語にはなりません。
感嘆詞の仲間には
驚いた時に口をつく「うわあっ!」や相づちの「ふぅん」などがあります。
「うわあっです」とか「ふぅんです」とは言わないでしょ?
わかりやすく言うと、「なるほどです」もそれと同じ。
その上、慣習的ではあるものの、「なるほど」は主に目上に当たる人が使うものなので、上司や先輩、得意先に「なるほどです」なんて言うのは、失礼に当たります。
丁寧に相づちを打っているつもりで「なるほどです」を連発したら、相手が気分を害してしまうかもしれないので、くれぐれもご注意を!
感嘆符ではないのですが、似たような使い方をしている言葉で言うと、
「了解」も本来は目上に対して使う言葉ではないので、「です」をつけて「了解です」と言ったところで丁寧語にも敬語にもなりません。くだけた間柄ならともかく、そうでなければ「承りました」や「かしこまりました」、「分かりました」と言い換えましょう。
(著者:ロジャー・ドゥーリー)
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